2018年09月21日 新着情報

平成27年の労働者派遣法の改正から、平成30年9月30日で3年が経過します。平成27年の改正では、一部例外を除いて全ての業種で派遣される期間制限が原則3年に定められました。また、労働者派遣事業は許可制へ一本化され、平成30年9月30日以降、許可を受けていない(旧)特定労働者派遣事業を行う事業主から派遣労働者を継続して受け入れると、法違反となります。
  厚生労働省は、施行後3年を迎えるに当たり、受入れ期間制限ルールや、無許可の事業主からの労働者派遣の受入れ禁止などをパンフレットにまとめ、派遣先の方に改めて確認するよう促しています。


1. 受入れ期間制限ルール


【対象】平成27年9月30日以降に締結・更新された労働者派遣契約に基づく労働者派遣
【内容】すべての業務において、(1)事業所単位、かつ(2)個人単位の期間制限が適用されます。

※ ただし、「派遣元で無期雇用されている派遣労働者」や「60歳以上の派遣労働者」などは、期間制限の対象外です。
(1)派遣先の 「事業所単位」 の期間制限
  派遣先は、同一の事業所において派遣可能期間(3年)を超えて派遣を受け入れることはできません。
ただし、派遣先の事業所の過半数労働組合等※1から意見を聴いた上であれば、3年を限度として派遣可能期間を延長※2することができます。
※1 過半数労働組合が存在しない場合、派遣先の事業所の労働者の過半数を代表する者
※2 再延長する場合には、改めて意見聴取手続きが必要です。
(2)派遣労働者の 「個人単位」 の期間制限
(1)において「事業所単位」の派遣可能期間を延長した場合でも、派遣先の事業所における同一の組織単位(いわゆる「課」などを想定)で、3年を超えて同一の派遣労働者を受け入れることはできません。

<事業所・組織単位の定義>
  以下の観点から、実態に即して個別に判断されます。ご不明な点は、お近くの労働局までご相談ください。

●事業所(雇用保険の適用事業所に関する考え方と基本的に同じです。)
  ・ 工場、事務所、店舗等場所的に独立していること
  ・ 経営単位として人事・経理・指導監督・働き方などがある程度独立していること
  ・ 施設として一定期間継続するものであること
●組織単位(いわゆる「課」や「グループ」など)
  ・ 業務としての類似性、関連性があるもの
  ・ 組織の長が業務配分、労務管理上の指揮監督権限を有するもの

<意見聴取手続>
  派遣先は、同一の事業所において3年を超えて派遣を受け入れようとする場合は、延長しようとする派遣可能期間が終了する1か月前までに、事業所の過半数労働組合等から意見を聴く必要があります。
●意見聴取方法
(1)過半数労働組合等に対して、書面による通知※ を行わなければなりません。
     ※ 通知の内容は「派遣可能期間を延長しようとする事業所」および「延長しようとする期間」です。
      あわせて、その事業所ごとの業務について、派遣受入れの開始時からその業務に従事した
     派遣労働者の数や派遣先の無期雇用労働者の数の推移等の参考となる資料を提供する必要があります。
(2)過半数労働組合等から異議が述べられた場合、派遣先は、延長前の派遣可能期間が経過する前に、
   派遣可能期間の延長の理由と延長の期間、当該異議への対応方針を説明しなければなりません。


2. 無許可派遣を行う事業主からの受入れ禁止


 平成27年労働者派遣法の改正により、労働者派遣事業は許可制へ一本化されました。
  改正前から届出による特定労働者派遣事業(以下「(旧)特定労働者派遣事業」という。)を行っていた事業主が、経過措置として派遣事業を引き続き行える期限は、原則、平成30年9月29日までです。
  平成30年9月30日以降、許可を受けていない※1(旧)特定労働者派遣事業を行う事業主から、派遣労働者を継続して受け入れると、法違反※2となります。
 労働局からの指導の対象となるほか、事業主名の公表等の対象となることもあり、また、労働契約申込みみなし制度(3参照)の対象となる可能性がありますのでご留意ください。
※1 平成30年9月29日までに許可の申請がなされた場合、その申請について許可又は不許可の処分がある日までの間は、引き続き(旧)特定労働者派遣事業を行うことができます。
※2 労働者派遣法第24条の2で、無許可の事業主からの派遣受入れを禁止しています。

<派遣元事業主の許可取得・申請状況を確認してください!>
  平成30年9月30日以降に派遣を受け入れる際には、「許可を取得した派遣元事業主」又は「許可申請中の(旧)特定労働者派遣事業を行う事業主」であることを、必ず確認してください。
★ 派遣元事業主には固有の許可番号又は届出番号があります。
※許可番号又は届出番号は、人材サービス総合サイト(https://www.jinzai-sougou.go.jp/)で検索できるほか、
労働者派遣契約書等に記載されている場合があります。
※この番号が「特**-******」(「特」から始まる2桁-6桁の数字)である事業主は、(旧)特定労働者派遣事業を行う事業主であり、まだ許可を取得していない、または、許可を申請していない可能性があります。
(旧)特定労働者派遣事業を行う事業主が許可を取得・申請しない場合、派遣契約を継続できず、派遣先が、現在受け入れている派遣労働者を直接雇用する、新たな派遣元から派遣労働者を確保する等の対応をする必要が生じます。


3. 労働契約申込みみなし制度


 違法な労働者派遣を受け入れた場合、派遣先が、その派遣労働者に対して労働契約の申込みをしたとみなされる場合があります。
  平成27年10月1日以降、派遣先が次に掲げる違法な労働者派遣を受け入れた場合※ 、その時点で、派遣先が派遣労働者に対して、その派遣労働者の派遣元における労働条件と同一の労働条件を内容とする労働契約の申込みを
したものとみなされます。
※派遣先が違法派遣に該当することを知らず、かつ、知らなかったことに過失がなかったときを除きます。

<労働契約申込みみなし制度の対象となる違法派遣>
(1)労働者派遣の禁止業務に従事させた場合
(2)無許可の事業主から労働者派遣を受け入れた場合
(3)期間制限に違反して労働者派遣を受け入れた場合
(4)労働者派遣法等の規定の適用を免れる目的で行われるいわゆる偽装請負の場合


4. 派遣労働者への募集情報の提供


  派遣先において、派遣労働者に対し、募集情報を提供することが義務付けられています。
●通常の労働者(いわゆる正社員)を募集する場合

  派遣先の事業所で正社員を募集する場合、その事業所に継続して1年以上受け入れている派遣労働者がいる場合には、その派遣労働者に対して、正社員として就職する機会が得られるよう、募集情報を周知しなければなりません。
●労働者を募集する場合
  派遣先の事業所で正社員に限らず労働者を募集する場合、派遣先の同一の組織単位の業務に継続して3年間受け入れる見込みがある派遣労働者がいる場合であって、雇用安定措置(「5.雇用安定措置への対応」参照)として、派遣元からこの派遣労働者に係る直接雇用の依頼があった場合には、その派遣労働者に対して、直接雇用で就職する機会が得られるよう、募集情報を周知しなければなりません。


5. 雇用安定措置への対応


  雇用安定措置(派遣労働者の派遣終了後の雇用を継続させるための措置※ )として、派遣元から、同一の業務に1年以上継続して従事する派遣労働者の直接雇用の依頼を受けた場合であって、その派遣終了後に引き続き同一の
業務に従事させるために労働者を雇用する場合には、受け入れていた派遣労働者を雇用するよう努めなければなりません。
  また、このような場合以外でも、雇用安定措置として直接雇用の依頼を受けた場合には、派遣労働者の能力評価を踏まえ、直接雇用に向けて真摯な検討を行うなど、本人の希望に沿った適切な対応が求められます。
※ 派遣元には、雇用する派遣労働者が、同一の組織単位に継続して3年派遣される見込みがあり、かつ派遣労働者が派遣終了後の継続就業を希望するときは、派遣先に対する直接雇用の依頼等を講じる義務が課されます(1年以上3年未満の派遣見込みの場合は努力義務)。

平成27年労働者派遣法改正法の詳細は、以下をご覧ください。
○平成27年労働者派遣法改正法の概要
○平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法に関するQ&A など
※ 厚生労働省のHPに、平成27年労働者派遣法改正法に関する資料が掲載されています。

 

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ [ 厚生労働省 ]
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11650000-Shokugyouanteikyokuhakenyukiroudoutaisakubu/0000196406.pdf
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