2020年09月08日 新着情報

厚生労働省は、労使団体や業種別事業主団体などの経済団体に対し、改訂された「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト」などを活用して職場における感染予防、健康管理の強化を図ることを、傘下団体などに向け周知するよう、再度協力を依頼しています。令和2年4月17日、5月14日に引き続き3回目となる協力依頼となりますが、今回は、新型コロナウイルス感染症対策分科会での提案を踏まえたものとなります。
 新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は全国的に増加傾向にあり、一部地域では感染拡大のスピードが増しているため、新型コロナウイルス感染症対策分科会において、新規感染者数を減少させるための迅速な対応として、事業者に対して、①集団感染(クラスター)の早期封じ込め、②基本的な感染予防の徹底が提案されています。


1 労務管理の基本的姿勢


 参考資料1の基本的対処方針の三の(3)の4)「職場への出勤等」及び6)「緊急事態宣言解除後の都道府県における取組等」の内容に基づき、職場における感染防止対策に取り組むこと。
 その際、労働者の理解や協力を得つつ、事業者が主体となり、これらの取組を実施していただくに当たって、特に、以下の(1)から(5)にご留意いただきたいこと。
 なお、新型コロナウイルス感染症への対応策については、新たな知見が得られるたびに充実しているところであるので、逐次厚生労働省ホームページの「新型コロナウイルス感染症について」を確認いただきたいこと。

(1)職場における感染防止の進め方
 職場における新型コロナウイルス感染症の大規模な感染拡大を防止するためには、事業者、労働者それぞれが、職場内外での感染防止行動の徹底について正しい知識を持って、職場や職務の実態に即した対策に取り組んでいただくことが必要であること。

 このため、事業者においては、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に積極的に取り組む方針を定め、全ての労働者に伝えていただくとともに、労働者も取組の趣旨を踏まえて感染拡大防止に向けた一人一人の行動変容を心がけていただくことが重要であること。

 具体的には、①労働衛生管理体制の再確認、②換気の徹底等の作業環境管理、③職場の実態に応じた作業管理、④手洗いの励行など感染予防に関する基本的な知識も含めた労働衛生教育、⑤日々の体調管理等も含めた健康管理に留意して取組を実施いただきたいこと。

(2)テレワーク支援措置の活用
 テレワークについては、助成金やテレワーク相談センターにおける相談支援、労働時間管理の留意点等をまとめたガイドラインの作成等を行っており、こうした施策も活用いただきながら、取組を進めていただきたいこと。

(3)感染拡大を予防する新しい生活様式の定着
 今後、持続的な対策が必要になると見込まれることを踏まえ、全ての住民、事業者において、感染拡大を予防する新しい生活様式を定着させる必要があることに鑑み、新しい生活様式の趣旨や必要性について、専門家会議で示された参考資料2の「新しい生活様式(生活スタイル)の実践例」等を活用して労働者に周知を行っていただきたいこと。

 また、接触確認アプリ(COCOA)は、利用者が増加することで感染拡大防止につながることが期待されることから、別添1の「新型コロナウイルス接触確認アプリ」等を活用して労働者に周知を行うとともに、インストールを勧奨していただきたいこと。

(4)雇用調整助成金等を活用した休業の実施
 感染拡大を防ぐため、労働者を休業させるときには、労使がよく話し合って労働者の不利益の回避に努めていただきたいこと。なお、緊急事態宣言や要請などがある場合でも、一律に労働基準法第26条の休業手当の支払義務がなくなるものではないことにご留意いただきたいこと。

 また、同法に基づく休業手当の支払の要否にかかわらず、経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされた事業者が、労働者を休業させ、事業主がその分の休業手当を支払った場合、雇用調整助成金の対象になり得ることも踏まえ、労使が協力して、労働者を安心して休ませることができる体制を整えていただきたいこと。

 雇用調整助成金については、緊急対応期間(令和2年4月1日~9月30日)において助成額の上限を引き上げ、解雇等を行わない企業に対して助成率を引き上げるとともに、雇用保険被保険者でない非正規雇用労働者も対象とする等の拡充を行っており、その活用を通じて休業を検討いただきたいこと。

 さらに、事務処理や資金繰りの面から、雇用調整助成金を活用して休業手当を支払えない中小企業の労働者の生活の安定のため、雇用保険被保険者でない非正規雇用労働者も含め、労働者本人が申請できる新型コロナウイルス感染症対応休業支援金制度を創設し、令和2年7月10日から受付を開始している。休業中の休業手当が支払われていない労働者にはその申請を検討いただくとともに、その申請書類には事業主が記載する部分もあることから、事業主においては適切に対応いただきたいこと。

(5)子どもの世話や家族の介護が必要な労働者のための有給の休暇制度の導入
 新型コロナウイルス感染症の影響により、子どもの世話や、家族の介護を行う必要が生じた労働者が、仕事と家庭を両立し、必要な場合に安心して休むことができるよう、労働基準法上の年次有給休暇とは別に、有給の休暇制度を導入していただきたいこと。
 有給の休暇制度の導入にあたっては、小学校等が臨時休業した場合等に子の保護者である労働者に有給の休暇を取得させた事業主への助成制度(※1)や、家族の介護が必要な労働者に有給の休暇を取得させた事業主への助成制度(※2)を創設しており、こうした施策を積極的に活用していただきたいこと。

※1 小学校休業等対応助成金
小学校等の臨時休業等に伴い、子どもの世話を行うため仕事を休まざるを得ない保護者を支援し、子どもたちの健康、安全を確保するための対策として、正規・非正規を問わず、有給(賃金全額支給)の休暇を取得させた事業主に対して、休暇中に支払った賃金相当額(※)を支給する制度。既に年次有給休暇や欠勤などで対応した場合に、事後的に特別休暇に振り替えた場合も支給対象。(参考資料3)
※1日当たり8,330円(4月1日以降に取得した休暇については15,000円)が支給上限。

※2 両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)の新型コロナウイルス感染症対応特例
新型コロナウイルス感染症への対応として法定の介護休業とは別に介護のための有給の休暇(所定労働日で20日以上)を設け、仕事と介護の両立支援制度の内容を含めて社内に周知し、当該休暇を合計5日以上労働者に取得させた中小企業事業主に助成をする制度。既に年次有給休暇や欠勤などで対応した場合に、事後的に特別休暇に振り替えた場合も支給対象。(参考資料4)


2 職場における感染予防対策の徹底について


 職場における新型コロナウイルス感染症の拡大防止を図るため、多くの関係団体では、業種ごとの感染拡大予防ガイドラインを作成し、その周知等に取り組んで来られたところであるが、新型コロナウイルス感染症対策分科会における提案を踏まえ、新規感染者数を減少させるための迅速な対応として、集団感染の早期封じ込めや基本的な感染予防対策の徹底に取り組む必要がある。

 このため、今般、集団感染発生事業場における要因分析等を踏まえて、別添2の「職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト」の改訂を行ったところであり、これを活用して職場の状況を確認していただくとともに、独立行政法人労働者健康安全機構がホームページで公表している動画教材「職場における新型コロナウイルス感染症予防対策を推進するためのポイント」を参照していただく等により、職場の実態に即した、実行可能な感染拡大防止対策を検討いただきたいこと。

 職場での感染防止対策については、別添3の「新型コロナウイルス職場における「4つ」の対策ポイント」等を活用して労働者に周知を行っていただきたいこと。感染防止対策を講じる際に、例えば、消毒液を確保できない場合に家庭用塩素系漂白剤等を希釈して使用することなど、代替の対策を講じることについても検討いただきたいこと。

 また、感染防止対策の検討に当たって、職場に、労働安全衛生法により、安全衛生委員会、衛生委員会、産業医、衛生管理者、安全衛生推進者、衛生推進者等が設置・選任されている場合、こうした衛生管理の知見を持つ労使関係者により構成する組織の有効活用を図るとともに、労働衛生の担当者に対策の検討や実施への関与を求めていただきたいこと。

 なお、産業医や産業保健スタッフの主な役割については、一般社団法人日本渡航医学会及び公益社団法人日本産業衛生学会が公表した「職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド」(令和2年5月11日発行。令和2年6月3日改訂)において、次のとおり示されているので一つの参考としていただきたいこと。

・ 医学情報の収集と職場への情報提供
・ 職場における感染予防対策に関する医学的妥当性の検討と助言
・ 職場における感染予防対策及び管理方法に関する教育・訓練の検討と調整
・ 従業員の健康状態にあわせた配慮の検討と実施
・ 事業場に感染者(疑い例含む)が出た場合の対応
・ 職場における従業員のメンタルヘルスへの配慮
・ 職場における段階的な措置の解除に関する医学的妥当性の検討と助言
・ 職場における中・長期的な対策に関する医学的妥当性の検討と助言

 併せて、労働安全衛生法により、安全衛生委員会、衛生委員会、産業医、衛生管理者、安全衛生推進者、衛生推進者等が設置・選任されていない事業場については、独立行政法人労働者健康安全機構の産業保健総合支援センターにおいて、メールや電話による相談の受付、各種情報の提供等を行っているので、その活用について検討していただきたいこと。
 このほか、マスクで口が覆われることにより、のどの渇きを感じにくくなることがあるため、のどの渇きに関する自覚症状の有無にかかわらず、労働者に水分・塩分を摂取するよう周知し、徹底を求める等、熱中症防止対策についても着実に実施いただきたいこと。その際、「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」の実施事項を参考にしていただきたいこと。


3 配慮が必要な労働者等への対応について


 新型コロナウイルスに感染した場合、数日から14日程度の潜伏期間を経て発症するため、発症初期の症状は、発熱、咳など普通の風邪と見分けが付かない。このため、発熱、咳などの風邪症状がみられる労働者については、新型コロナウイルスに感染している可能性を考慮した労務管理を行っていただきたく、具体的には、下に掲げる対応が考えられること。

 また、高齢者や基礎疾患(糖尿病、心不全、慢性呼吸器疾患、高血圧、がんなど)を有する者などの重症化リスク因子を持つ労働者及び妊娠している労働者に対しては、本人の申出及び産業医等の意見を踏まえ、テレワークや時差出勤などの感染予防のための就業上の配慮を行っていただきたいこと。特に、妊娠中の女性労働者が、母子保健法の保健指導又は健康診査に基づき、その作業等における新型コロナウイルス感染症に感染するおそれに関する心理的なストレスが母体又は胎児の健康保持に影響があるとして、医師又は助産師から指導を受け、それを事業主に申し出た場合には、事業主は、この指導に基づき、作業の制限、出勤の制限(テレワーク又は休業をいう。)等の措置を講じる必要があることに留意いただきたいこと。

 この措置により休業が必要な女性労働者に有給の休暇を取得させた事業主への助成制度を創設しているので、積極的にご活用いただきたいこと。なお、テレワークを行う場合は、メンタルヘルスの問題が顕在化しやすいという指摘があることにも留意いただきたいこと。

・発熱、咳などの風邪症状がみられる労働者への出勤免除の実施やテレワークの指示を行うとともに、その間の外出自粛を勧奨すること。
・労働者を休業させる場合、休業中の賃金の取扱いについては、労使で十分に話し合い、労使が協力して、労働者が安心して休暇を取得できる体制を整えること。
・風邪の症状が出現した労働者が医療機関を受診するため等やむを得ず外出する場合でも、公共交通機関の利用は極力控えるよう注意喚起すること。
・「新型コロナウイルス感染症についての相談の目安(具体的な目安は以下を参照)」を労働者に周知・徹底し、これに該当する場合には、帰国者・接触者相談センターに電話で相談し、同センターから帰国者・接触者外来の受診を指示された場合には、その指示に従うよう促すこと。

「新型コロナウイルス感染症についての相談の目安」(厚生労働省ホームページより抜粋)
○ 少なくとも以下のいずれかに該当する場合には、すぐに御相談ください。(これらに該当しない場合の相談も可能です。)
☆ 息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある場合
☆ 重症化しやすい方(※)で、発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合
(※)高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD等)等の基礎疾患がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方
☆ 上記以外の方で発熱や咳など比較的軽い風邪の症状が続く場合
(症状が4日以上続く場合は必ずご相談ください。症状には個人差がありますので、強い症状と思う場合にはすぐに相談してください。解熱剤などを飲み続けなければならない方も同様です。)
○ 相談は、帰国者・接触者相談センター(地域により名称が異なることがあります。)の他、地域によっては、医師会や診療所等で相談を受け付けている場合もあるので、ご活用ください。

(妊婦の方へ)
妊婦の方については、念のため、重症化しやすい方と同様に、早めに帰国者・接触者相談センター等に御相談ください。
「新型コロナウイルス感染症に関する母性健康管理措置による休暇取得支援助成金」
妊娠中の女性労働者の母性健康管理を適切に図るための母性健康管理措置により、休業が必要とされた妊娠中の女性労働者が取得できる有給(年次有給休暇で支払われる賃金相当額の6割以上)の休暇制度の整備と社内への周知を行い、当該休暇を合計5日以上労働者に取得させた事業主に対し助成。(参考資料5)
※ 令和2年9月30日までに有給の休暇制度の整備・社内周知を行った場合は、令和3年1月31日までに取得した休暇も対象。既に欠勤などで対応した場合に、事後的に特別休暇に振り替えた場合も支給対象。


4 新型コロナウイルス感染症の陽性者等が発生した場合の対応について


(1)衛生上の職場の対応ルールについて
 事業者においては、職場に新型コロナウイルスの陽性者や濃厚接触者(以下「陽性者等」という。)が発生した場合に備え、以下の項目を盛り込んだ対応ルールを作成し、労働者に周知いただきたいこと。この際、企業における具体的な取組事例を取りまとめた参考資料6の「新型コロナウイルス感染症の陽性者等が発生した場合の衛生上の対応ルール(例)」を適宜参考にしていただきたいこと。

 また、新型コロナウイルス感染症の陽性者について、労働安全衛生法に基づく労働者死傷病報告の提出に留意いただき、同報告書を作成する際には参考資料7のリーフレットを適宜参考にしていただきたいこと。

 なお、新型コロナウイルス感染症患者については、医療保健関係者による健康状態の確認を経て、入院・宿泊療養・自宅療養を終えるものであるため、療養終了後に勤務等を再開するに当たって、労働者本人や人事労務担当者等から医療機関や保健所への各種証明の請求についてはお控えいただきたいこと。

・ 労働者が陽性者等であると判明した場合の事業者への報告に関すること(報告先の部署・担当者、報告のあった情報を取り扱う担当者の範囲(※)等)
(※)「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」(平成30年9月7日付け労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱い指針公示第1号)に留意。

・ 労働者が陽性者等であると判明した場合の保健所との連携に関すること(保健所と連携する部署・担当者、保健所と連携して対応する際の陽性者と接触した労働者の対応等)
・ 職場の消毒等が必要になった場合の対応に関すること
・ 陽性者が陰性になった後、職場復帰する場合の対応に関すること(PCR検査の結果や各種証明書は不要である等)
・ 労働者が陽性者等になったことをもって、解雇その他の不利益な取扱いや差別等を受けることはないこと
・ その他必要に応じ、休業や賃金の取扱いなどに関すること等

(2)労災補償について
 労働者が業務に起因して新型コロナウイルスに感染したものと認められる場合には、労災保険給付の対象となること。
 これまで労働基準監督署においては、新型コロナウイルス感染症に係る労災請求に対して、多くの労災認定を行っており、先般、厚生労働省ホームページにおいて、別添4のとおり、職種別の労災認定事例を公表したところである。医療従事者はもとより、飲食店店員、小売店販売員やタクシー乗務員等、多様な職種の労働者の労災認定を行っているので、参考にしていただきながら、業務に起因して感染したと思われる労働者から積極的に労災請求がなされるよう労災請求を勧奨していただきたいこと。
 なお、労働者が新型コロナウイルスに感染した場合の労災補償に係るQ&Aについては、厚生労働省ホームページに掲載しているので、確認していただきたいこと。


5 新型コロナウイルス感染症に対する正しい情報の収集等


 事業者においては、国、地方自治体、公益性の高い学術学会等がホームページ等を通じて提供している最新の情報を収集し、必要に応じ感染拡大を防止するための知識・知見等を労働者に周知いただきたいこと。
 その際、新型コロナウイルス感染症に関することも含めた職場のメンタルヘルス不調、過重労働による健康相談等についてメールや電話による相談を受け付ける「こころの耳」や精神保健福祉センター等のメンタルヘルスに関する相談窓口を労働者に周知いただきたいこと。また、DVや児童虐待に関する相談などの窓口についても、必要に応じ、労働者に周知いただきたいこと。
 なお、新型コロナウイルス感染症に関する個別の労働紛争があった場合は、都道府県労働局の総合労働相談コーナーにおいて相談を受け付けていることも、併せて周知いただきたいこと。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ
[ 厚生労働省 ]
https://www.mhlw.go.jp/content/11302000/000657471.pdf
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