2021年08月02日 新着情報

厚生労働省は、平成28年2月に「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」を定め、がん、脳卒中、心疾患、糖尿病、肝疾患、難病などの疾病を抱える労働者が治療を受けながら働き続けられるための取組を進めることを推進しています。独立行政法人労働者健康安全機構では、令和3年度産業保健関係助成金「治療と仕事の両立支援助成金(環境整備コース)」について、このコースに関するQ&Aが更新されました。この「治療と仕事の両立支援助成金(環境整備コース)」は、事業主の方が両立支援コーディネーターの配置と、両立支援制度の導入を新たに行った場合に、助成を受けることができる制度です。職場における治療と仕事の両立支援のためにぜひご活用ください。

■治療と仕事の両立支援を巡る状況


(1)疾病を抱える労働者の状況
 「治療と職業生活の両立等支援対策事業」(平成25年度厚生労働省委託事業)における企業を対象に実施したアンケート調査によれば、疾病を理由として1か月以上連続して休業している従業員がいる企業の割合は、メンタルヘルスが38%、がんが21%、脳血管疾患が12%である。また、「平成22年国民生活基礎調査」に基づく推計によれば、仕事を持ちながら、がんで通院している者の数は、32.5万人に上っている。
 さらに、労働安全衛生法に基づく一般健康診断において、脳・心臓疾患につながるリスクのある血圧や血中脂質などにおける有所見率は、年々増加を続けており、平成26年は53%に上るなど、疾病のリスクを抱える労働者は増える傾向にある。
 また、これらの疾病の有病率は年齢が上がるほど高くなる状況にあり、高齢化の進行に伴い、今後は職場においても労働力の高齢化が進むことが見込まれる中で、事業場において疾病を抱えた労働者の治療と仕事の両立への対応が必要となる場面はさらに増えることが予想される。

(2)疾病を抱える労働者の就業可能性の向上と課題
 一方、近年の診断技術や治療方法の進歩により、かつては「不治の病」とされていた疾病においても生存率が向上し、「長く付き合う病気」に変化しつつあり、労働者が病気になったからと言って、すぐに離職しなければならないという状況が必ずしも当てはまらなくなってきている。
 しかしながら、疾病や障害を抱える労働者の中には、仕事上の理由で適切な治療を受けることができない場合や、疾病に対する労働者自身の不十分な理解や、職場の理解・支援体制不足により、離職に至ってしまう場合もみられる。
 例えば、糖尿病患者の約8%が通院を中断しており、その理由としては「仕事(学業)のため、忙しいから」が最も多くなっている。また、連続1か月以上の療養を必要とする社員が出た場合に「ほとんどが病気休職を申請せず退職する」「一部に病気休職を申請せず退職する者がいる」とした企業は、正社員のメンタルヘルスの不調の場合は18%、その他の身体疾患の場合は15%であり、過去3年間で病気休職制度を新規に利用した労働者のうち、38%が復職せず退職していた。

(3)事業場等における現状と課題
 事業場においては、健康診断に基づく健康管理やメンタルヘルス対策をはじめとして、労働者の健康確保に向けた様々な取組が行われてきたが、近年では、厳しい経営環境の中でも、労働者の健康確保や疾病・障害を抱える労働者の活用に関する取組が、健康経営やワーク・ライフ・バランス、ダイバーシティ推進、といった観点からも推進されている。
 一方で、治療と仕事の両立支援の取組状況は事業場によって様々であり、支援方法や産業保健スタッフ・医療機関との連携について悩む事業場の担当者も少なくない。
 こうしたことから、労働者の治療と仕事の両立支援に取り組む企業に対する支援や医療機関等における両立支援対策の強化も必要な状況にある。

■「治療と仕事の両立支援助成金」(環境整備コース)に関するQ&A


1 両立支援コーディネーターについて
問1-1 両立支援コーディネーター基礎研修は事業主でも受講できるのですか。
答1-1 「治療と仕事の両立支援助成金」の各コースを活用いただく場合、配置する両立支援コーディネーターは当該企業に雇用されている労働者に限定しています。ただし、本助成金の活用を予定していない場合、事業主が両立支援コーディネーター基礎研修の受講を申込みいただくことは可能です。

問1-2 両立支援コーディネーター基礎研修の受講を希望していますが、どこに申込めばよいですか。
答1-2 両立支援コーディネーター基礎研修については、労働者健康安全機構が実施していますので、当機構のホームページ中、「両立支援コーディネーター研修」で検索いただき、日程等詳細をご確認のうえ、お申込みください。

問1-3 助成金の支給対象事業主と両立支援コーディネーターの間に雇用関係は必要ですか。
答1-3 「治療と仕事の両立支援助成金」の各コースともに、雇用関係は必要です。

2 対象となる傷病について
問2-1 本助成金の両立支援制度が対象とする労働者の傷病は何ですか。
答2-1 本助成金の両立支援制度が対象とする労働者の傷病とは、がん、脳卒中、心疾患、糖尿病、肝疾患、難病などの反復・継続して治療が必要となる傷病です。

3 導入する両立支援制度について
問3-1 導入する両立支援制度について、パートタイム従業員を除く正規従業員のみを対象とする予定です。このような場合、本助成金を利用することは可能ですか。
答3-1 両立支援制度は雇用形態に関わらず、全ての労働者を対象としていることから、「同一労働同一賃金ガイドライン」(令和2年4月1日適用)を踏まえて、不合理な待遇差のないことが望ましく、雇用保険一般被保険者も含め対象とする必要があります。

4 「治療と仕事の両立支援助成金」の各コースの支給申請について
問4-1 「制度活用コース」を申請する予定がなくても、「環境整備コース」に申請することは可能ですか。
答4-1 「制度活用コース」を申請する予定の有無に関わらず、「環境整備コース」を申請いただくことは可能です。

問4-2 「環境整備コース」の支給を受けていなくても、「制度活用コース」に申請することは可能ですか。
答4-2 「環境整備コース」の支給の有無に関わらず、「制度活用コース」を申請いただくことは可能です。

問4-3 社員の高齢化に備えて、社内で相談のうえ、新しく両立支援制度を導入し、両立支援コーディネーターを配置することを考えています。治療と仕事の両立支援助成金(環境整備コース)を活用したいのですが、社内の取組期間に具体的な制約はありますか。
答4-3 本助成金を活用いただく場合、両立支援コーディネーターの配置と両立支援制度の導入について、それぞれの取組時期の前後は問いませんが、いずれの取組も、令和3年 4 月 1 日から令和4年3月 31 日までの間に実施されている必要があります。

問4-4 最初に両立支援制度を導入し、次に両立支援コーディネーターを配置しようと考えていますが、両立支援コーディネーターを配置する日が令和3年4月1日から令和4年3月31日の間にある場合、両立支援制度を導入した日も令和3年4月1日から令和4年3月31日の間でなければ申請することはできないでしょうか。
答4-4 支給申請するに当たり、基準日の要件を満たしていますが、両立支援制度を導入した日も令和3年 4 月 1 日から令和4年3月 31 日の間である必要があります。したがって、令和3年3月 31 日以前に両立支援制度を導入した場合、この条件を満たさないので申請することはできません。ただし、令和2年度中に両立支援コーディネーター基礎研修を修了し、かつ両立支援制度の導入を新たに行った事業者で、既に環境整備計画の認定を受けている場合、申請することはできます。

問4-5 現在、「ストレスチェックの実施及び体制の整備に対する助成金」の助成金を不正受給したとして不支給措置を受けているのですが、別の種類の助成金になるため、この「治療と仕事の両立支援助成金」(各コース)を新たに申請することは可能でしょうか。
答4-5 申請することはできません。当機構で取り扱っている助成金の中のいずれかで、不正受給により不支給措置を受けられている場合は、当助成金だけに限らず、産業保健関係助成金の支給申請をすることはできません。

問4-6 様式第3号「支給要件確認申立書」の中で「過去1年間に、労働関係法令(労働基準関係法令等)違反をしている。」とありますが、労働関係法令違反とはどのようなことを指すのですか。
答4-6 労働関係法令違反により送検されていること、又は行政機関から企業名の公表や認定の取り消しをされていることを指します。なお、就業規則の作成届出、36 協定届出、健康診断の実施などの労働関係法令違反については、是正・改善されてから申請していただくことが望ましいです。

※この助成金は、厚生労働省の産業保健活動総合支援事業の一環として行われています。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ [ 厚生労働省 ]
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000115267.html
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