2022年12月27日 新着情報

令和4年11月28日、首相官邸において、「第13回新しい資本主義実現会議」が開催されました。今回の会議で、スタートアップ育成5か年計画及び資産所得倍増プランが決定されました。この日の議論を踏まえ、議長である岸田総理は、次のように述べています。

●スタートアップ育成5か年計画について


今回決定した「スタートアップ育成5か年計画」は、官民によるスタートアップ育成策の全体像と5年間の具体的なロードマップを示したものです。
人材、資金供給、オープンイノベーションの3本柱を一体として推進し、スタートアップへの投資額を5年後の2027年度には10兆円規模と10倍増にすることを目標にします。

●資産所得倍増プランについて


新しい資本主義が目指す分厚い中間層を形成する上で、家計の賃金所得に加え、金融資産所得を拡大することは、大切です。
NISA(少額投資非課税制度)の拡充・恒久化、iDeCo(個人型確定拠出年金)制度の改革、そして、消費者が信頼できるアドバイスの提供の仕組みの創設を中心に取組を推進します。
こうした取組を通じ、第1に、投資経験者の倍増を目指してNISA総口座数を5年間で3,400万へ倍増することを目標にし、第2に、家計による投資額の倍増を目指してNISAの買付額を倍増させることを目標にします。
これらにより、資産運用収入そのものの倍増を見据えます。

■スタートアップ育成5か年計画


1.基本的考え方
・岸田政権は、「新しい資本主義」の実現に向けた取組を進めている。スタートアップは、社会的課題を成長のエンジンに転換して、持続可能な経済社会を実現する、まさに「新しい資本主義」の考え方を体現するものである。
・我が国を代表する電機メーカーや自動車メーカーも、戦後直後に、20代、30代の若者が創業したスタートアップとして、その歴史をスタートさせ、その後、日本経済をけん引するグローバル企業となった。
・しかし、2022年現在、多様な挑戦者は生まれてきているものの、開業率やユニコーン(時価総額1,000億円超の未上場企業)の数は、米国や欧州に比べ、低い水準で推移している。
・他方で、旧来技術を用いる既存の大企業でも、スタートアップをM&Aしたり、コラボレーションをしたりして新技術を導入するオープンイノベーションを行った場合、持続的に成長可能となることが分かってきた。
・以上を背景として、本年をスタートアップ創出元年とし、戦後の創業期に次ぐ、第二の創業ブームを実現する。そのために、スタートアップの起業加速と、既存大企業によるオープンイノベーションの推進を通じて、日本にスタートアップを生み育てるエコシステムを創出する。
・スタートアップ・エコシステムの創出にあたっては、ガラパゴス的思考に陥ることなく、グローバル市場に果敢に挑戦するスタートアップを生み出していくという視点を持つこととする。
・これまで、スタートアップ担当大臣を設置し、実行のための一元的な司令塔機能を明確化し、本年度の物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策及び補正予算において過去最大規模の1兆円のスタートアップ育成に向けた予算措置を閣議決定したところであるが、これを活用しつつ、人材・ネットワーク構築の観点、事業成長のための資金供給や出口戦略の多様化の観点、オープンイノベーションの推進の観点から、多年度にわたる政策資源の総動員のため、官民による我が国のスタートアップ育成策の全体像を5か年計画として取りまとめることとする。

2.目標
・日本にスタートアップを生み育てるエコシステムを創出し、第二の創業ブームを実現するためには、大きな目標を掲げて、それに向けて官民で一致協力して取り組んでいくことが必要である。
・目標については、創業の「数」(開業数)のみではなく、創業したスタートアップの成長すなわち「規模の拡大」にも、同時に着目することが重要である。そこで、創業の絶対数と、創業したスタートアップの規模の拡大を包含する指標として、スタートアップへの投資額に着目する。
・この投資額は、過去5年間で2.3倍増(3,600億円(2017年)→8,200億円(2021年))であり、現在、8,000億円規模であるが、本5か年計画の実施により、5年後の2027年度に10倍を超える規模(10兆円規模)とすることを大きな目標に掲げて、官民一体で取組を進めていくこととする。
・さらに、将来においては、ユニコーンを100社創出し、スタートアップを10万社創出することにより、我が国がアジア最大のスタートアップハブとして世界有数のスタートアップの集積地になることを目指す。

3.パッケージの方向性
・企業の参入率・退出率の平均(創造的破壊の指標)が高い国ほど、一人当たり経済成長率が高い。さらに、若い企業(スタートアップ)の方が付加価値創造への貢献度が高い。他方、我が国の開業率は、米国9.2%、英国11.9%と比べ、5.1%に留まっており、廃業率も、米国8.5%、英国10.5%と比べ、3.3%となっている。
・まずは、我が国でも、スタートアップの担い手を多数育成し、その起業を加速する。そこで、優れたアイディア・技術を持つ若い人材の発掘・育成のため、国内に加え、海外のメンターや教育機関も活用した実践的な起業家育成を図る。加えて、若手人材の世界各国への派遣研修の実施など、我が国でスタートアップの起業を担う人材を育成し、そうした人材によるグローバルなネットワークを構築する。
・また、米国では、1980年代の開業率は12%であるのに対し、現在(2019年)は9%であり、起業自体は減少している一方で、ベンチャーキャピタルの投資額は増加傾向にある(2008年300億ドル→2015年600億ドル)。すなわち、有望な企業への支援は増加しており、スタートアップの育成に大きな役割を果たしている。
・そこで、我が国においても、スタートアップの担い手の確保とあわせて、公的資本を含む資金供給の拡大を図る。このため、国内のベンチャーキャピタルの育成に加え、海外投資家・ベンチャーキャピタルの呼び込みを図る。また、成長に時間を要するディープテック系のスタートアップを中心に、スタートアップの事業展開・出口戦略を多様化する観点から、ストックオプション等に関する環境整備や、スタートアップに対する公共調達の拡大等を推進する。
・オープンイノベーションの視点で見ると、日本における事業会社によるスタートアップ企業に対する投資額は、米国、中国、欧州と比べて極めて低い水準にある(米国402億ドル、中国115億ドル、欧州90億ドル、日本15億ドル(2020年))。また、スタートアップに対するM&Aの件数についても、日本は欧米に比べて極めて少ない(米国1,473件、英国244件、フランス60件、ドイツ49件、日本15件(2020年))。
・スタートアップのエグジットを考えた場合、M&AとIPOの比率に着目すると、米国ではM&Aが9割を占めるのに対し、我が国ではIPOが8割であり、圧倒的にIPOの比率が高い。M&Aの比率を高めていくことが求められる。
・このように、スタートアップを買収することは、スタートアップのエグジット戦略(出口戦略)としても、また既存の大企業のオープンイノベーションの推進策としても重要であり、既存企業とスタートアップとのオープンイノベーションを推進するための環境整備を進めることは重要である。
・以上の整理のもと、このスタートアップ育成5か年計画においては、以下の大きな3本柱の取組を一体として推進していくこととする。
①スタートアップ創出に向けた人材・ネットワークの構築
②スタートアップのための資金供給の強化と出口戦略の多様化
③オープンイノベーションの推進
・また、公的支援を行った事実は、支援を受けたスタートアップへの認証効果(お墨付き)の役割を果たし、更なる民間投資を喚起するとされる。既に、今般の総合経済対策において、スタートアップ育成に向けて、過去最大規模の予算措置(約1兆円)を閣議決定したところであるが、政策の効果についてKPIを設定し、スタートアップ担当大臣によりフォローアップを行いながら、政府として引き続き政策資源を総動員し、官民での大きな方向性の実現に向けて、努力していく。
・次世代の産業の核となりうる新産業分野のディープテックについては、重点分野等を明確化していくこととする。また、農業や医療などのディープテックの個別分野に特化した起業家教育・スタートアップ創出支援に関する取組の強化を図る。
・なお、税制措置については、今後の税制改正過程において検討する。

■資産所得倍増プラン


1.基本的考え方
・岸田政権では、「新しい資本主義」の実現に向けた取組を進めている。「新しい資本主義」を資金の流れで見ると、企業部門に蓄積された325兆円の現預金を、人・スタートアップ・GX・DXといった重要分野への投資につなげ、成長を後押しすると共に、我が国の家計に眠る現預金を投資につなげ、家計の勤労所得に加え金融資産所得も増やしていくことが重要である。
・我が国の家計金融資産2,000兆円は、半分以上がリターンの少ない現預金で保有されており、年金・保険等を通じた間接保有を含めても、株式・投資信託・債券に投資をしているのは244兆円、投資家数は約2,000万人にとどまる。
他方、米国や英国では、中間層でも気軽に上場株式・投資信託に投資できる環境が整備されており、米国では20年間で家計金融資産が3.4倍、英国では2.3倍になっているが、我が国では1.4倍に留まっているのは、こうした投資環境の違いが背景にある。
・我が国において家計金融資産に占める現預金の割合が欧米諸国に比べて大きいことは、戦後、企業が銀行などの金融機関からの借り入れで調達する間接金融が発展してきたことも一因である。貯蓄から投資を実現し、直接金融への転換を推進することは、ベンチャーキャピタルから資金を調達するスタートアップのエコシステムを構築する上でも重要であり、企業の成長を支えるリスクマネーを円滑に供給することにもつながる。
・中間層がリターンの大きい資産に投資しやすい環境を整備すれば、家計の金融資産所得を拡大することができる。また、家計の資金が企業の成長投資の原資となれば、企業の成長が促進され、企業価値が向上する。企業価値が拡大すれば、家計の金融資産所得は更に拡大し、「成長と資産所得の好循環」が実現する。
・従来は、株式や投資信託への投資は、一部の富裕層が行うものというイメージがあった。しかし、NISAやつみたてNISAの導入後、1,700万口座が開設され、28兆円の新規投資が行われ、かつ、20歳代から30歳代の若年層の利用が急拡大している。
また、デジタル化により、アプリ上での簡単な資産の管理や、低廉な手数料での豊富な金融商品へのアクセスも可能になっており、投資経験の浅い方も含めて、幅広く資産形成に参加できる仕組みを整備し、中間層の資産所得を大きく拡大することが可能である。
・また、東アジアにおける地政学的状況が変化する中で、確固たる民主主義・法治主義に支えられた安心・安全な拠点という我が国の特性を活かし、「国際金融ハブ」の実現を目指すべきである。特に、新型コロナの入国規制の緩和に併せて、一気呵成に、①新たな成長に資する金融資本市場の活性化、②金融行政・税制のグローバル化、③外国籍の高度人材を支える生活・ビジネス環境整備と効果的な情報発信などを推進することで、我が国金融市場の魅力向上を通じて、資産所得倍増をバックアップしていく。

2.目標
・資産所得倍増プランの目標として、第一に、投資経験者の倍増を目指す。具体的には、5年間で、NISA総口座数(一般・つみたて)を現在の1,700万2から3,400万へと倍増させることを目指して制度整備を図る。
・加えて、第二に、投資の倍増を目指す。具体的には、5年間で、NISA買付額を現在の28兆円から56兆円へと倍増させる。その後、家計による投資額(株式・投資信託・債券等の合計残高)の倍増を目指す。
・これらの目標の達成を通じて、中間層を中心とする層の安定的な資産形成を実現するため、長期的な目標としては資産運用収入そのものの倍増も見据えて政策対応を図る。

3.プランの方向性
・金融庁の調査によれば、投資未経験者が投資を行わない理由として多いのは、第1位:「余裕資金がないから」(56.7%)、第2位:「資産運用に関する知識がないから」(40.4%)、第3位:「購入・保有することに不安を感じるから」(26.3%)である。
・こうした調査からは、簡素でわかりやすく、使い勝手のよい制度が重要であることや、小口(100円~1,000円)の投資も可能であることの重要性とともに、長期積立分散投資の有効性が幅広く周知されていないことがわかる。そして、知識不足の解消や不安の払拭に向けて家計の金融資産形成を支援するためには、消費者に対して中立的で信頼できるアドバイザー制度の整備が必要であることがわかる。

こうしたことを踏まえ、資産所得倍増に向けて、以下の7本柱の取組を一体として推進する。
①家計金融資産を貯蓄から投資にシフトさせるNISAの抜本的拡充や恒久化
②加入可能年齢の引上げなどiDeCo制度の改革
③消費者に対して中立的で信頼できるアドバイスの提供を促すための仕組みの創設
④雇用者に対する資産形成の強化
⑤安定的な資産形成の重要性を浸透させていくための金融経済教育の充実
⑥世界に開かれた国際金融センターの実現
⑦顧客本位の業務運営の確保
・なお、税制措置については、今後の税制改正過程において検討する。

政府は、この2つの新たな計画の新しい資本主義実行計画への取り込みを含めて、来年6月にフォローアップを行った上で、実行計画の改訂を行うこととしています。

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ [ 内閣官房 ]
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/atarashii_sihonsyugi/kaigi/dai13/gijisidai.html
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