2023年02月03日 新着情報

厚生労働省から、令和4年10月28日に策定した『「賃上げ・人材活性化・労働市場強化」雇用・労働総合政策パッケージ』について、令和4年末に閣議決定した令和5年度政府予算案を踏まえて更新されています。厚生労働省では、このパッケージにより、意欲と能力に応じた「多様な働き方」を可能とし、「賃金上昇」の好循環を実現していくため、中長期も見据えた雇用政策に力点を移し、これまでの「賃上げ支援」に加えて、「人材の育成・活性化を通じた賃上げ促進」、「賃金上昇を伴う円滑な労働移動の支援」、「雇用セーフティネットの再整備」の一体的、継続的な取組を引き続き推進していくとしています。令和5年度政府予算案を踏まえた更新とのことで、支援策として紹介されている助成金の内容などが更新されています。

■「賃上げ・人材活性化・労働市場強化」雇用・労働総合政策パッケージ


【基本的な考え方】
・コロナ禍では、感染拡大防止に向けた行動制限等による経済活動の抑制に対し、企業の事業継続のための支援に加え、雇用調整助成金等の特例措置を講じることで雇用維持に向けた支援を行い、経済状況が不安定化する中での雇用と暮らしの安定に貢献。

・一方、コロナ禍での緊急的・短期的な政策が長期化することにより、有効な人材活用が進まず、コロナ禍以前からの構造的な課題でもある労働供給制約からくる人手不足の問題が再び顕在化しはじめている。

・また、個々人の意識の変化や構造変化が加速していく中で、個人の自律的なキャリア選択やライフステージに応じた多様な働き方へのニーズは高まっており、そうした多様な働き方を行いながらも、労働市場での様々な機会を活用しながら、賃金が上昇していく仕組み作りが求められている。

・意欲と能力に応じた「多様な働き方」を可能とし、「賃金上昇」の好循環を実現していくため、中長期も見据えた雇用政策に力点を移し、これまでの「賃上げ支援」に加えて、「人材の育成・活性化を通じた賃上げ促進」「賃金上昇を伴う円滑な労働移動の支援」「雇用セーフティネットの再整備」の一体的な取組を推進していく。

・この一体的な取組を通じて、経済変化に柔軟で、個人の多様な選択を支える「しなやかな労働市場」を実現し、人材の活性化と生産性の向上を通じた賃金上昇のサイクルを目指す。
基本的な考え方基本的な考え方
1.労働者の賃上げ支援
・最低賃金の引上げと履行確保
令和4年度の改定額は過去最大となる31円の引上げ全国加重平均)。労働基準監督署の定期監督等により、賃金の適切な支払等の履行確保を図る。
・業務改善助成金の拡充
中小企業が利用しやすくなるような拡充を実施する。
・働き方改革推進支援助成金による支援
労働時間の削減等に取り組む中小企業・小規模事業者等の生産性向上に向けた取組を支援するとともに、賃上げを行った場合に助成上限額を加算する。
・労働基準監督署による企業への賃上げ支援等
労働基準監督署において、企業が賃上げを検討する際の参考となる地域の賃金や取組事例が分かる資料を提供し、企業の賃上げへの支援等を行う。
・賃金引上げのための各種支援策・好事例等の周知広報
WEBサイトやインターネット広告を活用して、各種の賃上げ支援策、地域の賃金や企業の好取組事例等について周知広報を行い、賃上げの気運を醸成する。
・キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース)の拡充
非正規雇用労働者の処遇改善のため、助成基準の見直し及び助成額の拡充を実施する。
・同一労働同一賃金の徹底に向けた労働局と監督署の連携
都道府県労働局雇用環境・均等部(室)が新たに労働基準監督署と連携し、同一労働同一賃金の遵守を徹底するとともに、助成金等を活用し、非正規雇用労働者の処遇改善を支援する。


2.人材の育成・活性化~個人の主体的なキャリア形成の促進
(1)個人の主体的なキャリア形成の支援
・人材開発支援助成金の助成率引上げ等の見直し
労働者がスキルアップのため自発的に受講する訓練等を支援する企業への助成率の引上げ等の見直しを行う。
・教育訓練給付のデジタル分野等成長分野、土日・夜間対応講座の指定拡大
教育訓練給付について、デジタル分野等の成長分野やオンライン・土日・夜間対応講座の指定拡大を図る。
・キャリア形成サポートセンターの拡充
「キャリア形成・学び直し支援センター(仮称)」を創設し、キャリア形成や学び直しの必要性を感じている労働者等に対し、総合的な支援を行うとともに、ジョブ・カードの更なる周知・普及推進を図る。
・学び・学び直し促進のため、特定支出控除の手続においてキャリアコンサルタントによる証明を認める特例措置の創設(税制改正)
厚生労働大臣が指定する教育訓練給付指定講座を受講した場合には、現行の手続において必要とされる給与等の支払者による証明に代えて、国家資格であるキャリアコンサルタントによる証明ができることとする。

(2)あらたな経験を通じた人材の育成・活性化
・産業雇用安定助成金(スキルアップ支援コース)の創設
賃金上昇につながる在籍型出向によるスキルアップを支援するため、出向元事業主に対し、賃金助成を行う。
・産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース(仮称))の創設
事業活動の一時的縮小を余儀なくされた事業主が新規事業への進出など事業再編により雇用維持する場合に、当該事業再編に必要なコア人材の賃金助成を行う。
・副業・兼業の促進に関するガイドラインの周知
副業・兼業を希望する人が増加傾向にある中、安心して副業・兼業に取り組むことができるよう副業・兼業の促進に関するガイドラインの周知を図る。
・副業・兼業に関する情報提供モデル事業の創設
(公財)産業雇用安定センターにおいて、副業・兼業を希望する中高年齢者及び企業の情報を蓄積し、当該中高年齢者に企業情報を提供するモデル事業を行う。
・人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)の創設
新規事業の立ち上げなどに伴って職務が変更となる従業員に必要な訓練を行う企業を支援するため、新たなコースを創設する。
・介護福祉士養成施設に通う学生に対する修学資金等の貸付を行う介護福祉士修学資金等貸付事業
介護人材の参入を更に促進するため、介護福祉士修学資金等貸付事業の貸付原資の積み増しを行い、安定的な事業の継続を支援する。

(3)ステップアップを通じた人材活用
・人材開発支援助成金の助成率引上げ等の見直し【再掲】
・キャリアアップ助成金(正社員化コース)の拡充
人材開発支援助成金の「労働者が自発的に受講する訓練」「定額制訓練」修了後に正社員化した場合の加算額を拡充する。(+9.5万円11万円)
・団体経由産業保健活動推進助成金を活用した労働者の健康促進支援
中小企業に健康経営の支援を含む産業保健サービスを提供する活動に対し、その活動費用を助成することで就業者の健康確保を下支えする。


3.賃金上昇を伴う労働移動の円滑化
(1)労働市場の強化・見える化
・職業情報提供サイト(日本版O-NET)の整備
職業に関する多様な情報を総合的に提供する「職業情報提供サイト(日本版ONET)」(愛称jobtag)の整備・運用により、労働市場に対する理解を促進する。
・労働市場の基盤整備に関する調査研究
民間のシンクタンクへの委託により労働市場の基盤整備に関する調査研究を行う。
・専門的・技術的分野の外国人等の就業環境の改善に向けた実態把握・取組
事業所向け調査等により外国人労働者の労働条件や労働移動の実態、職場定着への課題把握を進めるとともに、外国人労働者雇用労務責任者の育成を通じ、就業環境の改善を図る。
・働く人のワークエンゲージメントの向上に向けた支援
ワークエンゲージメントの向上に関する先進事例等を整理し、その普及・促進を図るなど、働く方々の働きやすさや働きがいの向上を推進する。
・職場情報の開示に関するガイドライン(仮称)の策定
労働者の適切な職業選択を促進するため、これまで各種法令等により開示が求められてきた企業情報等をガイドラインとして整理し、更なる労働市場におけるマッチング機能の向上を図る。
・大企業における男女間賃金格差の公表義務化を踏まえた「女性の活躍推進企業データベース」の活用促進
大企業の男女間賃金格差の公表義務化を踏まえた「女性の活躍推進企業データベース」の活用促進・機能強化により、女性活躍等の企業情報の見える化を推進する。

(2)賃金上昇を伴う労働移動の支援
・労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)の見直し
離職を余儀なくされた者の早期再就職を支援する労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)について、前職よりも5%以上賃金の上がる再就職に対して上乗せ助成を行う。
・中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)の見直し
中途採用の機会拡大を図る中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)について、前職よりも5%以上賃金の上がる中途採用を推進するための要件の見直しを行う。
・求人者に対する求人条件向上指導の強化
ハローワークにおいて、地域の労働市場の状況等を踏まえながら、充足可能性を高めるための求人賃金等の条件向上指導を強化する。
・求職者の希望賃金水準に合わせた個別の求人開拓の強化
ハローワークにおいて、賃金等の個々の求職者の希望に基づいた個別求人開拓を推進する。
・特定求職者雇用開発助成金(成長分野人材確保・育成コース)の対象事業主の追加
就職困難者を雇い入れた後、訓練・賃上げを行う場合について上乗せ助成を行う。

(3)継続的なキャリアサポート・就職支援
・公共職業訓練・求職者支援訓練のデジタル分野の重点化
公共職業訓練(委託訓練)及び求職者支援訓練について、資格取得コース等の委託費等の上乗せにより、デジタル分野の訓練コースの設定等を推進する。
・受講者の特性に対応した教育訓練手法の構築・普及促進事業
受講者の特性に対応した特色ある教育訓練手法の構築、その手法の試行及び普及方法を民間からコンテスト方式で募集し、それらの実施を委託する。
・オンライン相談を活用した在職者のハローワークへの誘導・職業相談の実施
オンラインで求職登録、職業相談及び職業紹介が可能であることの周知を強化することで、在職求職者をハローワークに誘導し、本人の希望に応じた円滑な労働移動を促進する。
・キャリア形成サポートセンターの拡充【再掲】
・非正規雇用労働者等に対する就職支援プログラムによる早期再就職支援

ハローワーク窓口において、非正規雇用労働者等に対し担当者制・マンツーマンによる早期再就職を実施する。


4.多様な選択を支える環境整備・雇用セーフティネットの再整備
(1)次なる雇用情勢の悪化に備えた雇用保険財政の早期再建
労働移動円滑化・人への投資への支援の強化に万全を期すとともに、雇用情勢が悪化した場合にも十分な対応を図れるよう、雇用保険の財政基盤の安定化に必要な財源確保を図る。

(2)フリーランスが安心して働くことができる環境整備
・フリーランスに対する相談支援等の環境整備事業
フリーランス・トラブル110番における相談窓口の体制拡充・トラブル解決機能を向上させることにより、紛争解決の援助を促進する。
・フリーランスに係る取引適正化等のための法整備
フリーランスの取引を適正化し、個人がフリーランスとして安心して働ける環境を整備するため、関係省庁と連携しつつ、法整備に取り組む。


■人材の育成・活性化と労働移動を通じた「構造的な賃上げ」の実現


働く人の意識の変化や構造変化が加速していく中で、人材の育成・活性化や円滑な労働移動を促進することで、「多様な働き方」を可能とする労働市場の整備を通じた「構造的な賃上げ」を実現していく。
人材の育成・活性化と労働移動を通じた「構造的な賃上げ」の実現

詳しくは下記参照先をご覧ください。

参照ホームページ [ 厚生労働省 ]
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_30335.html
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