2026年08月17日 新着情報

 

[国税庁]より「公表」された情報です

 

令和8年度の税制改正において、国内の大規模かつ高付加価値な設備投資を強力にバックアップする「特定生産性向上設備等投資促進税制」が新たに創設されました。
この制度は、一定の要件を満たす設備投資を行った法人に対し、取得価額の全額をその期に経費化できる「即時償却(100%特別償却)」、または「最大7%(建物等は4%)の税額控除」の選択を認める非常に画期的な優遇措置です。

1.制度の概要

青色申告書を提出する法人が、生産等設備を構成する機械装置、工具、器具備品、建物、建物附属設備、構築物及び一定のソフトウエアで、産競法の特定生産性向上設備等(その法人が産競法等改正法の施行の日から令和11年3月31日までの期間(以下「指定期間」といいます。)内に経済産業大臣の確認を受けたものに限ります。)に該当するもののうち一定の規模以上のもの(以下「特定機械装置等」といいます。)の取得等(※1)をする場合において、その確認を受けた日から同日以後5年を経過する日までの間に、その特定機械装置等の取得等をして、これを国内にあるその法人の事業の用に供したとき(※2)は、その事業の用に供した日を含む事業年度(※3)(以下「供用年度」といいます。)において、その特定機械装置等について、即時償却(普通償却限度額との合計でその取得価額までの特別償却)又はその取得価額の7%(建物、建物附属設備及び構築物は4%)の税額控除(調整前法人税額の20%が上限)(※4)のいずれかの適用ができる制度が創設されました(措法42の12の7①②)。

本制度のイメージ図
出典:国税庁

※1

取得等とは、取得(その製作又は建設の後事業の用に供されたことのないものの取得に限ります。以下同じです。)又は製作若しくは建設をいい、建物にあっては改修(増築、改築、修繕又は模様替をいいます。)のための工事による取得又は建設を含みます(措法42の12の7①)。

※2

適用対象となる事業は特に限定されていませんが、貸付けの用に供した場合は対象外となります(措法42の12の7①)。

※3

解散(合併による解散を除きます。)の日を含む事業年度及び清算中の各事業年度を除きます(措法42の12の7①)。

※4

一定の法人については、税額控除による控除をしてもなお控除しきれない金額を翌期以後3年間繰り越すことができます(措法42の12の7③④)(繰越税額控除制度)。

2.対象資産の範囲

本制度の対象資産である特定機械装置等とは、生産等設備を構成する機械装置などで産競法の特定生産性向上設備等(指定期間内に経済産業大臣の確認を受けたものに限ります。)(※1)に該当するもののうち一定の規模以上のものをいいます(措法42の12の7①、措令27の12の7②)。

生産等設備を構成するもの一定の規模以上のもの(規模要件)特定生産性向上設備等
機械装置1台又は1基の取得価額が160万円以上のもの産競法の特定生産性向上設備等(生産性向上設備等のうち、一定の基準(※3)に適合することについて産競法の経済産業大臣の確認を受けたもの)でその確認が指定期間内であるもの
工具及び器具備品1台又は1基の取得価額が120万円以上のもの
建物一の取得価額が1,000万円以上のもの
建物附属設備及び構築物一の取得価額が120万円以上のもの
一定のソフトウエア(※2)一の取得価額が70万円以上のもの

 

※1

特定生産性向上設備等に関する投資計画の確認を受けた法人は、その投資計画の期間内の日を含む各事業年度においては、地域未来投資促進税制(措法42の11の2①②)、中小企業経営強化税制(措法42の12の4①②)及びカーボンニュートラルに向けた投資促進税制(措法42の12の6①②)は適用できません。なお、中小企業経営強化税制の繰越税額控除制度(措法42の12の4③)は適用できます。

※2

一定のソフトウエアとは、電子計算機に対する指令であって一の結果を得ることができるように組み合わされたもの(これに関連する一定の書類を含み、複写して販売するための原本及び一定の開発研究の用に供されるものを除きます。)をいいます(措令27の12の7①)。

※3

一定の基準とは、産競法の特定生産性向上設備等の導入に係る投資計画に記載された生産等設備を構成する機械装置などの取得価額の合計額が35億円以上(中小企業者等は5億円以上)であること、特定生産性向上設備等の導入に係る投資計画における年平均の投資利益率が15%以上となることが見込まれるものであることなどといった基準が定められる予定ですが、同基準を定める法令は令和8年5月27日現在において公布されていません。

3.繰越税額控除制度

青色申告書を提出する法人で認定事業適応事業者(※1)に該当するものが、一定の各事業年度(※2)において繰越税額控除限度超過額(※3)を有する場合には、調整前法人税額からその繰越税額控除限度超過額(その事業年度において税額控除(措法42の12の7②)の適用により控除される金額(税額控除額)との合計で調整前法人税額の20%が上限)を控除することができます(措法42の12の7③④)(※4)。

繰越税額控除制度のイメージ図
出典:国税庁

※1

認定事業適応事業者とは、指定期間内にされた産競法の認定に係る産競法の認定事業適応事業者(その産競法の認定事業適応計画(産競法の国際経済事情激変事業適応に関するものに限ります。以下「認定国際経済事情激変事業適応計画」といいます。)にその認定国際経済事情激変事業適応計画に従って行う国際経済事情激変事業適応のための措置として特定生産性向上設備等を導入する旨の記載があるものに限ります。)であるものをいいます(措法42の12の7③)。

※2

解散(合併による解散を除きます。)の日を含む事業年度及び清算中の各事業年度を除くものとし、その認定国際経済事情激変事業適応計画に係る実施時期の初日を含む事業年度から繰越税額控除制度の適用を受けようとする事業年度まで連続してその認定国際経済事情激変事業適応計画に従って国際経済事情激変事業適応を確実に実施していることその他の事項につき一定の証明がされた場合の各事業年度に限ります(措法42の12の7③)。

※3

繰越税額控除限度超過額とは、法人の事業年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度(その事業年度まで連続して青色申告書を提出している場合の各事業年度に限ります。)における措法第42条の12の7第2項に規定する税額控除限度額(その認定事業適応事業者の認定国際経済事情激変事業適応計画に記載された特定生産性向上設備等である特定機械装置等に係るものに限ります。)のうち、税額控除の適用による控除をしてもなお控除しきれない金額(既に繰越税額控除制度の適用によりその各事業年度において調整前法人税額から控除された金額がある場合には、その金額を控除した残額)の合計額をいいます(措法42の12の7④)。

※4

繰越税額控除制度は、税額控除の適用を受けた供用年度以後の各事業年度の確定申告書に繰越税額控除限度超過額の明細書の添付がある場合で、かつ、繰越税額控除制度の適用を受けようとする事業年度の確定申告書等に繰越税額控除制度の適用の対象となる繰越税額控除限度超過額、控除を受ける金額及びその金額の計算に関する明細を記載した書類の添付がある場合に限り、適用できます(措法42の12の7⑩)。

4.特別償却及び税額控除の不適用措置

本制度(特別償却及び税額控除)(※1)には、大企業(一定の中小企業者又は農業協同組合等以外の法人)で、下図の要件(❶❷)のいずれかに該当しない事業年度(その事業年度が設立事業年度(※2)及び合併等事業年度(※2)のいずれにも該当せず、かつ、その事業年度の所得金額が前事業年度の所得金額以下とされる一定の場合には、その事業年度を除きます。)については、その適用を受けることができない措置(不適用措置)が設けられています(措法42の12の7⑧)。

本制度の不適用措置の判定フロー図
出典:国税庁

※1

繰越税額控除制度(前ページ参照)については、この不適用措置の対象外であることから、これらの要件(上図の❶❷)のいずれかに該当しない事業年度であっても適用することができます(措法42の12の7⑧)。

※2

設立事業年度とは、措法第42条の12の5第4項第1号に規定する設立事業年度をいい(措法42の12の7⑧)、合併等事業年度とは、合併等(合併、分割又は現物出資(分割又は現物出資にあっては、事業を移転するものに限ります。)をいいます。)に係る合併法人等である場合における当該合併等の日を含む事業年度、その他一定の事業年度(その法人の設立事業年度を除きます。)をいいます(措法42の12の7⑨、措令27の12の7⑪)。

※3

継続雇用者給与等支給額とは、措法第42条の12の5第4項第5号に規定する継続雇用者給与等支給額をいい、継続雇用者比較給与等支給額とは、同項第6号に規定する継続雇用者比較給与等支給額をいいます(措法42の12の7⑧一)。

※4

国内設備投資額とは、その法人がその事業年度において取得等(取得又は製作若しくは建設をいい、合併、分割、贈与、交換、現物出資又は現物分配による取得その他一定の取得を除きます。)をした国内資産(国内にあるその法人の事業の用に供する機械装置その他の一定のものをいいます。)でその事業年度終了の日において有するものの取得価額の合計額をいいます(措法42の12の7⑧二イ)。

※5

当期償却費総額とは、その法人がその有する減価償却資産につきその事業年度においてその償却費として損金経理をした金額(特別償却準備金として積み立てた金額を含み、法第31条第4項の規定により同条第1項に規定する損金経理額に含むものとされる金額を除きます。)の合計額をいいます(措法42の12の7⑧二ロ)。

※6

本制度を適用する場合は、確定申告書等にこれらの要件(上図の❶❷)のいずれにも該当することを明らかにする書類の添付が必要です(措法42の12の7⑥⑦)。

詳しくは下記参照先をご覧ください

国税庁
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/kaisei_gaiyo2026/pdf/D.pdf
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